コンテンツのマーケティング

■ コンテンツのマーケティング ■

こんにちは。tanzan です。

まだアフリカ出張中です。現地での仕事を終え、現在はトランジットのために南アフリカのヨハネスブルグのホテルです。ここのホテルの無線LAN接続は有料ですが、速いですねえ。今日までいた国の接続状況はダイアルアップ並みだったのでびっくりしてしまいました。

さて、ドロップシッピングを使って販売しているオリジナルTシャツに注文が入りました。Tシャツ屋のサイトです。最新のデザインのアップは滞っていますが…。

でも今回は、リアルな店舗を経由しての注文でした。地元の商店街の中にある、コミュニティ・ビジネスのお店でボックスショップを借りて、サンプルを置いているのです。そこに置いておいた見本写真を見た方から注文が入りました。

注文と言っても2枚で、内一枚は単価の安い子供用ですから、まあ、利益にすれば600円くらい…。ボックスショップの利用料が月3000円…。

さらにアドビの高い画像ソフトを導入してデザインしていますから、今のところこのTシャツビジネス、全然黒字化していません。でも、自分がデザインしたものが売れるというのは、ちょっとはまりますよ。

最近HTMLを大幅にいじっている、という話を重ねて書いています。今までは「多少効果がある」くらいに報告していましたが、ついに出ました!大幅順位アップ!

ファイルの上から読み込むと、全ページでメニュー部分が先に読み込まれるような構造だったサイトを、テーブル・タグを使ったレイアウトを全廃し、CSSを使ってコンテンツが先、メニューが後に読み込まれる構造に変更しました。

<h3>などの見出し用のタグをデザイン上の都合で使うのもやめ、本当の文章の見出しだけに使用するようにしました。

1ヵ月後。アクセス解析の数字に変化が。確かめてみると、それまで Google 検索では1ページ目に出ていなかったのが、3位に来ているではないですか。

いやあ、Google が仲良くしてくれるなんて、久しぶりですねえ。

せこいSEOなんて何にもしてませんよ。相互リンク依頼も一つもしていませんよ。広告べたべたではありませんが、アフィリエイト広告も入っていますよ。

1位には Wikipedia とかがありますから、これ以上の順位アップは多分目指せませんが、まあ良しです。

リクルート社がアフィリエイトから撤退するそうです。と言っても、アフィリエイト広告の出稿をやめるという意味ではなく、自社運営のアフィリエイトはやめて、ValuceCommerce などのASPを利用したアフィリエイト広告に一本化する、という意味です。

リクルートが独自のアフィリエイト・プログラムをやっている、ということはあまり知られていなかったかもしれませんが、自社グループのサービスだけを対象にしたアフィリエイトを実施していました。

多分、自社で運営する方が、ASPを仲介するよりもコストが削減できる、と思ったのではなかろうかと推察しています。なにしろリクルートには大手のサービスが沢山ありますからね。

ところが、送られてきた案内を見ると、「思った以上にサーバーへの負荷が高くて継続が困難になった」とあります。まあ技術的な見込みが甘く、自社の能力では対応できなくなった、ということなのでしょう。

実を言うとリクルートの独自アフィリエイトは、ValueCommerce 経由のものに比べても有利な点はほとんどなく、報酬額も変わりません。ASPに払う手数料分をアフィリエイターに還元してくれる、というわけでもないので、僕は一つのサービスだけ試しに使っていました。まあ通算の利益はほとんどクリック報酬だけしか稼げず、千円台、と言ったところでしょうか。

リクルートのシステムから広告を取得し、自分のサイトへ貼って、1年も経たないうちに今度は「外してくれ」です。「手間賃にもならなかったなあ」というのが本音です。

ところで ValueCommerce の方ですが、事業的には結構苦戦しているようです。昨年度の決算ではかろうじて黒字、といったくらいでしょうか。

ビッダーズも他社にアフィリエイト機能を提供するASPからは撤退するようで、今後は自社サイト対象のアフィリエイトに戻る様子です。

アフィリエイトというのは、結局アフィリエイターが沢山売ってくれなければASPも利益にならないわけです。

一旦うまく流れ始めると、ASPはほとんど何もしなくても儲けが出るようにシロウトは、思ってしまいます。何しろアフィリエイターが働いてくれますから。それが一時小さなASPが沢山出てきた背景でしょう。

でも実際にはリクルート社の撤退でもわかるように、システムの開発、非常に高性能のサーバーとかデータベースの管理、アフィリエイターの確保、悪質アフィリエイターの監視、報酬の送金、マーチャントに対する営業などなど、とんでもなく大変な事業であることが想像できます。

「今後、ASPの淘汰が始まるのかなあ」

という予想はもちろんできますが、その他にも「アフィリエイターの淘汰が始まる」という予想もできます。

現在既に一部のASPは一定期間内に定められた成果を出さないアフィリエイターとは解約する、というシステムをとっています。

成果を出さないアフィリエイターは、管理コストばかりかかる負債のようなものですから、なんとか排除したい、というのがASPの本音かもしれません。

最近僕自身、某ASPを経由して提携していた複数の企業から「提携を解除します」という通告を立て続けに受けました。

実際にはほとんど成果が出ていなかった企業ですし、力を入れる予定もありませんから、別に痛くはありません。でも、もしこれが「努力の最中」であったりしたら、かなり悲惨なことになっていたと思います。

逆に、ちょっと成果が出てきたものがあると、ASPから「他のサイトにも掲載してもらえませんか?」という依頼がすかさず入ってきたりします。

コンテンツに合わない広告を掲載しても成果には繋がりませんから、ほとんど聞き流していますが、「成果を出しているアフィリエイターに集中」という方向性がここでもうかがえます。

今「マーケティングを学ぶ人のためのコトラー入門」という本を読んでいます。

これは本業の方の参考に読んでいるのですが、アフィリエイトの考え方にも参考になる面がありますね。

アフィリエイターは高い報酬の広告を貼って、そこへどうしたら人を集めて誘導できるか、という考え方をします。

でもマーケティングでは、まず人々が何を求めているかを考えることから入る。顧客との関係構築を考える。

(ちなみに先に商品ありき、で、それを売り込もうとするのは、マーケティングとは呼ばないそうです)

そうか!と思うのが、考え方によっては、WEBサイトは、それ自体が情報というサービスを提供しているお店なんですね。

たとえ広告が一つも貼ってなかったとしても、訪問者は何かを求めて来ているわけです。

以前にも書きましたけど、やはり、サイト自体を商品と考える方が良いのではないでしょうか。

アフィリエイターは、商品は広告をクリックしてもらった先にあると考え、サイトのコンテンツは客をおびき寄せる「餌」くらいにしか考えていない面があります。

僕自身、そのような発想で作っているサイトがいくつかあります。というか、昔作ってしまったのでメインテナンスを続けている、ということですが。

でもこうしたサイトは、実際には訪問者に来て欲しいのではなく、「素早く通過して欲しい」サイトになってしまっています。要は「僕のサイトなんか読まなくてもいいから、早く広告をクリックしてチョ!」ですね。

これでは全然顧客中心が本来であるマーケティングになっていません。まあ、検索エンジンにそっぽを向かれたらそれでおしまい、というサイトですね。これは「お前のサイトなんかなくても良い」と宣告されているようなものです。

でもこうした誰の目にも価値のないサイトであっても、わずかでも通過して買い物してくれる人がいたりすると、情けないですが、アフィリエイターとしては、検索エンジンが見逃してくれるのを祈りながら、そのままにしておくしかないわけです。

ではマーケティングとして一番成功しているサイトはどんなコンテンツか、と言うと、いわゆる「ハウ・ツーもの」ですね。

要するに何らかの方法とか、ノウハウを提供するサイトです。こうしたサイトは、もちろんコンテンツによって情報を求めている人数が違いますから訪問者数は大きなばらつきがありますが、それぞれのサイトの統計を見ていると、訪問者数が非常に安定しています。

要は検索エンジンのアルゴリズム変更の影響を受けにくい、あるいは、良い影響を受ける、と言っても良いかもしれません。

ここでの問題は、コンテンツ自体が商品になっていますから、訪問者はコンテンツを見て終わりになってしまう可能性が高いこと。

朝日新聞のサイト Asahi.com などはもちろん訪問者がコンテンツを求めて訪れるのであり、「買い物しよう」と思っていく人はほとんどいないと思います。でも、中には買い物をついでにしたり、広告をクリックする人も出てきます。

訪問者数が桁違いですから、まとめればそこそこの利益になる、ということでしょう。

僕のサイトで一番安定的な訪問者があるところでは、月平均で万単位の訪問者があります。もちろんコンテンツが売りのサイトです。変動が少ないどころか、ここのところ増加傾向です。

ところが、このサイトからの利益は月に2万円前後から多くて3万円くらい。結局コンテンツで解答を提供してしまっていますから、そこから先へ行ってくれる人が限られるわけです。

訪問者一人当たりに換算すると、1、2円の利益です。これを10倍にあげることができたら!

すごいことはわかりますが、それはちょっと…というか、ほとんど無理。欲張りですね。でも平均1円上げることができたら、万単位のアクセスですから、万円単位の報酬アップです。

重要なのは、「訪問者は既に確保できている」ということ。多くのアフィリエイターは「どうやって訪問者を稼ぐか」で汲々としています。

ホームページのコンテンツを商品と考えてマーケティングを行っても、直接にアフィリエイト収入が急激に増加するわけではありません。しかし、「後はこちらの工夫次第」というところまで持っていくことができるわけです。

そして、コンテンツに惹き寄せられる訪問者が多ければ多いほど、もちろん、少しの改善による成果アップは大きくなる、という寸法です。

問題は、改善の方法がなかなかない、というところであるのも事実なんですが…。コンテンツに合致した、非常に魅力的なクリック単価報酬の広告なんかが出現してくれたら…なんて他力本願ですね。