なぜドロップシッピングをまじめにやらないのか

■ なぜドロップシッピングをまじめにやらないのか ■

こんにちは。tanzan です。

カンボジアはアジアでした。プノンペンは思ったより都会。でも、混沌ぶりは、一昔前のアジアという感じ。

反対車線を逆走するバイク。赤信号でも突っ込んでくる車。威張っている軍人。怪しげなマッサージの看板。屋台のような店の数々。

アフリカ暮らしが長くて「ああ、もう海外は疲れた」と思っていましたが、「アジアならまた少しくらい暮らしてもいいかなあ」という気もしました。

アジアは近くていいですねえ。プノンペンへの日本からの直行便はありませんが、バンコクで乗り換えても、半日以内には到着します。アフリカや南米だと、場所によっては下手したら、足掛け3日必要ですから。

我が社はドロップシッピングでTシャツを作り、販売しています。

でもこれは、こちらでデザインを登録するもので、既存の商品を選んで値段を付け、販売する通常の意味でのドロップシッピングとはちょっと違います。

利益は月多くても数千円程度ですが、デザインするのを楽しみながら、みんなで「おお!こんなのが売れたよ!」と遊び感覚でやっています。

では、通常のドロップシッピングと言うと?

当たらし物好きの僕ですから、もちろん試して見ました。A8.net がやっている A8ドロップスというサービスを使いました。

売れたかって?1年以上やっていますが、何も売れません。

その一番大きな理由は、僕が途中で投げ出したことにあります。

まず考えたのは、既存のアフィリエイト・サイトの商品をドロップシッピングに置き換えること。楽天市場で料率1%の商品を置き換えることができたら、まとまった利益が期待できるはず…。

ところが、まず、希望するような商品がない。数万とか数十万の商品が仕入れられるという売り込みですが、コスメとかサプリとか、特定の分野の商品はものすごい数なのに、それ以外はかなり限られています。

また、希望するカテゴリーの商品があっても、単価が安いものばかり。

僕のサイトでは高級腕時計を紹介していましたから、それこそ10万円以上の商品を紹介したいのです。それなら、1個1万円の利益とか設定できますから。でも、そのようなものはない。

それでは、安めの腕時計はどうかと調べたら、ドロップシッピングでの仕入れ価格より安く売っているお店が楽天市場にある。

これでは売りようがありませんし、事実、1個も売れませんでした。

ちょうど自分用に普段使いの腕時計が1個欲しかったのですが、「自己買い」もできず、自分で楽天市場の他店で購入してしまいました。

そうしていたら、A8ドロップスがサービス中止になるというニュースがありました。ドロップシッピングジャパンというところも、やめるらしいです。

もしもや、リアルコミュニケーションズは継続するようですから、ドロップシッピングが急になくなるわけではないでしょうけど、A8を使った感想を書いてみたいと思います。

日本の多くのドロップシッピングですが、まず、看板に偽りあり、です。

ドロップシッピングは卸で、自分で小売値を付けられる、というのが本来のドロップシッピングのはず。しかし実態として、多くの商品に付けられた卸値は、市中の市販価格と大差ありません。つまり、自分で付けられる値段の幅が非常に狭い。

元々単価が低い化粧品やサプリは別かもしれませんが、他の商品は卸値が決して安くないのです。

実際に小売店をやられた人ならわかると思いますが、卸値は普通、もっと低いはず。ある程度システム提供する側が利益を上乗せしているとしても、僕には高すぎます。

多分、本来小売側が受け持つ顧客とのやり取りや、クレームの受付を、システムの側が引き受けたがゆえにコストが嵩み、「値段を付けられるアフィリエイト」程度のものになってしまったのではないか、と予想します。

その一方でアフィリエイトに比べて面倒。

アフィリエイトなら、自分で値段を付けたり、商品説明を考えたりする必要はあまりありません。手を抜けば、自分のサイトは「有名店への送客」だけに特化して、「大して儲からないけど手間はかからない」という運営方針を選ぶこともできます。あとは送客先の有名店がやってくれます。

でもドロップシッピングの場合は、もちろん自分のサイトで直接販売するか、送客先があったとしても、そこはドロップシッピング専用のサイトで、有名店ではありません。要は他人の看板の下での商売ができないのです。

無論、有名店の看板がないと全く商売できないわけではありません。僕自身、自分でとんぼ玉を通販していますし、多少は売れます。アフィリエイトでも、無名のお店からの成果が出ないわけではありません。

しかし、アフィリエイトの場合は、利益の大部分を占めるのは大手のショップや、サービスです。利益の単価や料率が多少低くても、知名度が高いところは「売れる」ので、結果的に利益が大きくなるのです。

というわけで、僕はあえてアフィリエイトからドロップシッピングへ移る必要性が全くわからないのです。現状では、もしやるとしたら、ドロップシッピングではなく、さらに利益が大きい(リスクも大きいけど)仕入を伴う、実販売を選びます。